工場のおやじ(本田宗一郎)

同僚がプレーナー(平削り盤)という、鋳物を平らに削る工作機械を本田技研工業に納入し、芯出し作業をやっていたときの話だ。「おやじ」と呼ばれていた本田宗一郎社長(当時)は、自ら菜っ葉服を着て、朝早くからオートバイのショックアブソーバーのパイプを磨いていた。ちょっと見には工員さんにしか見えなかった。 続きを読む

頭で考える、体で考える

大学生相手に、表面的な授業はともかく、実際に社会に出た時にあなた方はどう生きていけばいいのか、どんな考え方をしていったらいいのか、といった原点的な話をすると、結構食いつきがいい。いわく、「あなたは誰のものですか?」という質問をすると、けげんそうな顔をしている。 続きを読む

群れで生きるために

一般的に、今の高校生くらいだと、精神的に中学生よりは少し落ち着いてきて、しかも少し将来のこと(といっても、大学に進学するか、専門学校に行くか、親の家業を継ぐか程度の漠然とした考え)も頭の片隅に少しはあるという程度であると了解している。前に書いたように、子供は自立していないばかりか、親が子離れしていないという風潮が一般的な現代では、このことをどうするかという社会問題としての取り上げ方をしてみても、時代が解決するというような言い方になってしまい、よい解決方法などそう簡単には見つかりそうもない。 続きを読む