組織と人間関係(上下関係)

どんな会社に入ろうが、形の上では組織というものが存在します。上は社長から下は新入生までいます。そうした会社という「群れ」のなかで、生き延びるためにはどうしたらいいのか? そんなこと考えたこともない? 人それぞれ生き方がありますので、こうしろとかこうした方が良いと言うことも難しいので、私はこうしたということだけ申し上げておきます。

  • 上下関係

当然、会社に新入生として入れば、同期入社を除けば、あなたは一番下、後は皆上司ということです。そもそも上司の仕事とは、特に課長や部長という役職者になれば、彼らの仕事は、部下をこき使って、業績を伸ばすことが使命です。ですから、一般的に言って、上司なんて「嫌な存在」「嫌なやつ」のはずです。部下に甘いとか、なんとなく優しいとか言うのは、できの悪い上司か、とんでもなく人間の出来た人か(ほとんどいませんが)です。

では、どう対処するのか? 勿論一般的には「上は立てろ」ですが、あくまで表面的です。本質は、「上には噛みつけ!」です。その意味は、仕事上のことですから、あくまで仕事の中身でのことです。

能のない上司に黙って従っていても、良い仕事は出来ません。従って、上に噛みつけるほど勉強し、素知らぬ顔して、自分の考えや方法が正しいという方向に仕向けろという意味です。その様な事が度重なると、上は、可なりのことを任せてくれるか、任せざるを得ない状況(自分ではついて行けない状況)になる。そこまで徹底して仕事をしてみて下さい。

そんなことはとても自分には出来ないという方は、嫌な上司の悪口を言いながら飲み会でもやっていて下さい。

自分の息子も含め、若い人などからも、馬鹿な上司とか、嫌な上司とかの話を聞かされますが、その時に、仮にあんたがその嫌な上司の立場に立っていたと考えて、自分なら「どうする」というはっきりとした方針が、理由も付けて説明がつき、自分でも納得するなら、上司を馬鹿にしたり、コケにするのは良いが、何の対策も持たずに、ただ悪口だけ言うなら、単に不満分子に過ぎないので、黙って嫌な上司の言うことを聞いておけばと言っております。

それから、直属の上司ではなくて、更に上の年の離れたお偉いさんもいますが、こちらは、噛みつく前に、上手にだまして使いなさいというのが私の方針です。基本的に何段階か上の人は、若い人が普通寄りつかないので、結構可愛がってくれるケースが多いのです。あるいは若い人が好きなのです。彼らは、社長、副社長クラスでも、彼らなりに上下関係で悩んでいるので、離れた直接関係のない若者には、心を許すケースが結構あります。

  • 横の関係

では、同期や年の似たような仲間はどうつきあうのか? 一般的には彼らは競争相手ですが、同時に大事な仕事仲間です。いずれは誰かが昇格し、誰かが遅れます。

しかし、社内での昇格競争なんて、考え方ですが、頭の善し悪しや、業績の出来不出来で、昇進したりしなかったり、決して公正な評価なんてあり得ないし、何のために会社にいるのかを考えれば、仕事の中身を自分で納得し、更に面白ければ尚結構。

仕事そっちのけで、昇格競争のために社内の狭いところで、足の引っ張り合いなんてしている暇があったら、少しましな金儲けの仕事でも考えた方が、よほど生産的だと思いますが如何でしょう。

したがって、仲間は、仕事をしながら、必然的に、自分の仕事のスタンスに応じて、自然に出来るはずです。特に大きい仕事をするときには、一人で孤軍奮闘しても難しいので、仲間はいた方が良いですね。

  • 部下

では、部下が出来るようになったら、どう扱いますか? かつて嫌な上司にいじめられたから、同じ事を下にやりますか? 意味ないですね。

部下は「徹底的に教育しろ」です。結局は部下が優秀で楽が出来るのは本人です。自分が蹴落とされるのでは?なんて考えるような出来の良い部下がいたら、どんどん仕事をさせて、上に上げた方が、自分のためにも、会社のためにもなります。

所詮、会社は利益本位が基本ですから、部下を教育して育てることによって、自分も勉強になるし、外からの評価も上がるものです。とにかく企業は、最後は人です、人材が育たないような会社は、大した会社ではありません。

しかし、最近の社会を見ていると、どうみても大物を育てる仕組みが出来ていないように思えますし、学校からして、知識だけが評価対象で、人間教育が出来ずに、社会に出る人が多いので、恐ろしいことになりそうです。

若い方は是非、この年寄りの嘆きを、そんなことはない、俺たちが立派な社会、立派な会社を作って行くという気概を持って、会社生活を送ってもらえれば幸いです。