オリンピックマネージメント色々

オリンピック2020が東京に決定したので、日本オリンピック委員会は、実行委員会を来年2月頃をめどに立ち上げることを宣言しています。相当な人数と組織になるか、前回のロンドンのオリンピックがどのように組織化され、実施されたのかを調べてみると、英国の会計検査院(National Audit Office)の書いたレポートが公表されています。それを読むと、英国と日本などの役所の考え方や仕組みがかなり違うのが分かり興味深いです。

ロンドンの場合、2005年2月に開催地に決定、2ヶ月後の2005年9月にはオリンピック実行委員会(Olympic Delivery Authority=ODA)を立ち上げています。

翌年2006年5月までに民間の会計監査会社PWC、KPMG等を雇用し、全体の予算に関する書類を作成しています。

丁度1年後の2006年9月には、民間のエンジニアリング・コンサルタントと雇用契約を結び、彼らにオリンピックの施設の新設や増設の入札、工事監督から交通関連、警備等の業務委託契約を結んでいます。

2007年9月には1,325百万ポンドの予算を決定しています。

予算決定前に、民間のコンサルタントやエンジニアリング会社と契約を結ぶのはおかしいのかも知れませんが、スケジュール的にいって間に合わないものは暫定予算で先に仕事を進めていたのでしょう。

私が興味あるのは、東京都であれば、オリンピックの諸設備の工事監督やマネージメントは東京都自身、スポーツ振興局、都市整備局、建設局などの関連局がオーナーとして行うはずで、幾ら特別の催し物であっても、民間に丸投げはしないだろうという話です。

ロンドンの場合は、単純に普段の業務範囲では、ロンドン市の組織でやるのが当たり前だが、このような特別のケースでは、むしろ自分たちでやることによって、工事の遅延などでスケジュールに支障を来すことを恐れて、民間にマネージメントを任せたというわけです。

これには経緯があるようで、ロンドンの地下鉄の工事で、市が直接管理をした仕事が遅れに遅れて大問題になったので、このオリンピックでは、民間の有効活用ということになったようです。果たしてコスト的に、どちらが効率的で且つ安くついたのか、良く検証してみる必要がありそうです。

日本の場合は意地でも役所でやって、民間に役所の代行を任すという風土はあまりないのではと思います。

英国のNational Audit Officeでは、予算と実施結果ということで、その前の中国のオリンピックの予算について、北京に調査に行っているのも興味深いです。

いずれにしても、結果としてはロンドンのオリンピックは大きなトラブルもなく終了したのは事実です。

最近ロンドンから聞こえてくるのは、IOCが次期オリンピックの主催地であるリオ・デ・ジャネイロの現地マネージメントが全く話にならないので、大変心配しているとのこと。どのような問題があるのか分かりませんが、雰囲気としては分かります。ロンドンの民間コンサルタントによれば、東京に決まったのも、リオのずさんさが、東京に有利に働いたことも少しは考えられると言っていました。

直近では、来年のソチの冬のオリンピックで、プーチン大統領が現場を視察し、あまりの遅れに怒り心頭に発し、俺が直接指揮をすると言ったとか、現場に行って、工事関係者に「お前たち、よく頑張っているようだね?」との発言に、一同凍てついたそうです。このような発言があったときが一番怖いということを、皆が知っているからだそうです

ソチの誘致はプーチン大統領の肝いりでやった経緯もあり、またオリンピック後には、この地を世界的な冬の観光地として宣伝したいという意図があるので、大統領としても単なる催し物として終わらせたくないという気持ちが強いようです。

それぞれの国が、それぞれの思いでオリンピックを招致し、実施するわけですが、文化、風土、風俗、習慣が異なる地域で、世界中から人が来て、一堂に会する機会ですので、それぞれの思惑があるのでしょうが、色々な意味でその都市にとって良い機会であることには変わりはありません。さて、東京はどのようなオリンピックをやってくれるのでしょうか。次回はその辺を考えてみたいと思います。


オリンピックマネージメント色々” への1件のコメント

  1. Your goal is to breed all the different dragons available bfdgkddbgbbe

コメントは受け付けていません。