世界恐慌の影響がもろに出ている昭和13(1938)年に、日本は国家総動員法が発令され、経済統制(米の配給)、公定価格(俗に丸公)、言論統制、労働問題など、国民生活に直結する基本問題を規制したのがこの法律です。
私が記憶しているのは、昭和14年に、東京・千駄ヶ谷の自宅に、米屋が「配給でーす」と言って、台所にドスンと米袋を配達してきたのを覚えています。生まれて間もない、この頃からが、食い物との戦いの始まりだったわけです。
それから2年して第二次大戦が始まるのですが、それまでは特に食物が不足したとか、いつもひもじい思いをしたということもなく、「三丁目の夕日」の世界が広がっていたということです。その生活環境をご理解頂くために、千駄ヶ谷の町の様子を描いてみます。 続きを読む